診査・診断による数値化で
機能回復・改善をわかりやすく
口は「食べる」、「話す」、「味わう」、「呼吸する」など様々な機能を有しています。その機能が衰えると、少しずつ「食べにくい」、「しゃべりにくい」、「味がわかりにくい」、「口が乾く」、「よだれがでる」などの症状が出てきます。そのまま放置して、状態が悪くなってくると、咀嚼(そしゃく)障害、嚥下(えんげ)障害などの問題へとつながります。これらの機能の一部を数値化することで、機能の異常や衰えを早めに知ることができます。早く知って、対応することは、「機能の衰え」の先にある様々な問題を回避することにもつながります。また、数値化することで、機能回復・改善もわかりやすくなります。日常的な口腔体操・訓練を行っている時には、口腔機能検査で経過数値を行ってみてください。
食事摂取量の基準として、体重の変化が簡便で計りやすい数値です。しかし、体重だけでは、活動に必要な筋肉の増減がわかりにくいことが多いです。子供の成長に伴って、筋肉量が増えているかを確認したり、成人期以降の筋肉量と脂肪量の増減を測定することによって、毎日食べる「食品」に気をつけることができるかもしれません。「食べれる外来」では、測定結果をもとに、栄養相談も行うことができますので、ご利用ください。
食べたり、飲み込んだりする動きは複雑な動作です。食べ物が口からのどを通って胃まで運ばれるまでの動きは、外から見ることはできません。そのため、どうして「食べられない」、「食べようとしない」、「むせてしまう」、「食べ物を吐き出す」のか、本人だけでなく、家族や介助する周囲の人にもわからないことが多いです。嚥下機能検査は、外から見えない部分の動きを評価するために考えられた方法です。画像機器を用いて、実際に食べ物や飲み物がどのように食べられるのか、飲み込まれるのかの一部を観察することも可能です。嚥下内視鏡検査はコンパクトな機械なので、院内だけでなく訪問診療でも実施可能です。嚥下造影検査は、放射線装置を用いるので、当院ではできませんが、関連病院と連携して検査を行うことが可能です。嚥下機能の異常(ご飯が食べ難くなってきた、よくむせるなど)について、不安がある場合は検査の必要性も含めて、担当歯科医へご相談ください。