食べれる外来とは
皆様の「食べれる」の実現に向けて
サポートいたします
皆様は、食べることが好きですか?毎日、何気なく行っている食事が急にできなくなったらどうしますか?
美味しいものを食べたいという気持ちは、皆が共通して持っている気持ちです。その気持ちが共有できると、皆で楽しい気持ちになれます。
家族や友人と「一緒に食べたいな」と思うことは、一緒に楽しみたいと感じる自然なことだと思います。
『当院の食べれる外来』では、「食べたい」という思いに応えられるよう、食べられない原因を探り、解決する方法を見つける場所です。
摂食機能療法専門歯科医師が
対応します
当院の摂食機能療法専門歯科医師である村田尚道歯科医師が中心となり診療いたします。また、広島大学病院障害者歯科、岡山大学病院スペシャルニーズ歯科とも連携を取り、皆様の「食べれる」の実現に向けてサポートいたします。
食べたいを支える
お子様の「食べたい」を支える
食べる動きは、1歳までの時期に基本的な動作を覚えます。その後、生活環境・文化に応じて、食べ方が上達していきます。
何かしらの発達の問題(病気や発達障害など)があると、基本的な動作を覚えるのが遅れます。親や保護者の食事の大きな悩みの一つに、ミルクを飲ませる量、離乳食の硬さをどうしたら良いのかわからないことがあります。一般的な離乳食の進め方は、生後月齢を目安にしているので、実際の年齢と発達年齢との差によって混乱が生じます。本来、離乳食は食べる機能の発達段階に合わせて変更するため、口の動きの発達評価は大切です。
また、口の大きさや形、歯並びと食べ方は互いに影響します。将来の歯並びや噛み合わせが気になったら、早い段階で食べ方の異常チェックしましょう。
何らかの病気で食べられなくても、成長とともにに食べられることも多くみられます。唾液を飲んだり、歯ブラシで口を刺激したりすることで、口の動きが発達します。味が感じられるのであれば、好きな味を楽しむこともできるかもしれません。
障がい者の「食べたい」を支える
色んな病気や事故によって障害のある人の中には、食べることを禁止されている方もおられます。病気の直後は、唾液も飲み込めない状況だったかもしれませんが、時間の経過とともに回復することもあります。
しかし、入院中の「食べちゃダメ」の指示が継続されていると、自宅や施設でも食べられない状況が続きます。自宅や施設で食べるリハビリを行うことで、再び食べられるようになるかもしれません。『食べれる外来』では、摂食嚥下障害の状況に応じた検査を行ったり、必要な検査の紹介をしたりできます。食べるリハビリの通院が難しい方には、訪問歯科診療で行うことは可能です。口の動きが良くなることで、食べる動きは変わってきますので、「食べる」ことを諦めないでください。
高齢者の「食べたい」を支える
人間、歳をとると色んな動きが悪くなります。食べる動きもその中の一つです。野生動物は自分で食べることが難しくなると、自然と食べなくなります。でも、人間は、皆で一緒に生活することでお互いにサポートをすることができます。自分で食事を作れなければ、作ってもらうことができます。自分で食べられなければ、食べさせてもらうことができます。でも、食べ方は、人によって異なります。これまでの食べ方ではムセたりのどに詰まったりすることもあります。安全に食べられるような食事の作り方や食べ方の工夫を指導することで「食べたい」気持ちをサポートします。
また、最終的に食べられなくなると、食欲もなくなります。食べ物も本人が好きなものに限られて、無理に食べさせると、苦しくて余計に食べられなくなることもあります。『食べれる外来』では、無理なく食べられるようにご本人の食べたい気持ちを尊重し、その人らしい食事の終活ができるように、食事の工夫をサポートします。
食べることは、赤ちゃんからお年寄りまで、皆が一緒に楽しめることです。『食べれる外来』は、人生の楽しみをサポートする外来です。いつでも、いつまでも楽しみを共有したいですね。
診査・診断について
診査・診断による数値化で
機能回復・改善をわかりやすく
口は「食べる」、「話す」、「味わう」、「呼吸する」など様々な機能を有しています。その機能が衰えると、少しずつ「食べにくい」、「しゃべりにくい」、「味がわかりにくい」、「口が乾く」、「よだれがでる」などの症状が出てきます。そのまま放置して、状態が悪くなってくると、咀嚼(そしゃく)障害、嚥下(えんげ)障害などの問題へとつながります。これらの機能の一部を数値化することで、機能の異常や衰えを早めに知ることができます。早く知って、対応することは、「機能の衰え」の先にある様々な問題を回避することにもつながります。また、数値化することで、機能回復・改善もわかりやすくなります。日常的な口腔体操・訓練を行っている時には、口腔機能検査で経過数値を行ってみてください。
食事摂取量の基準として、体重の変化が簡便で計りやすい数値です。しかし、体重だけでは、活動に必要な筋肉の増減がわかりにくいことが多いです。子供の成長に伴って、筋肉量が増えているかを確認したり、成人期以降の筋肉量と脂肪量の増減を測定することによって、毎日食べる「食品」に気をつけることができるかもしれません。「食べれる外来」では、測定結果をもとに、栄養相談も行うことができますので、ご利用ください。
食べたり、飲み込んだりする動きは複雑な動作です。食べ物が口からのどを通って胃まで運ばれるまでの動きは、外から見ることはできません。そのため、どうして「食べられない」、「食べようとしない」、「むせてしまう」、「食べ物を吐き出す」のか、本人だけでなく、家族や介助する周囲の人にもわからないことが多いです。嚥下機能検査は、外から見えない部分の動きを評価するために考えられた方法です。画像機器を用いて、実際に食べ物や飲み物がどのように食べられるのか、飲み込まれるのかの一部を観察することも可能です。嚥下内視鏡検査はコンパクトな機械なので、院内だけでなく訪問診療でも実施可能です。嚥下造影検査は、放射線装置を用いるので、当院ではできませんが、関連病院と連携して検査を行うことが可能です。嚥下機能の異常(ご飯が食べ難くなってきた、よくむせるなど)について、不安がある場合は検査の必要性も含めて、担当歯科医へご相談ください。
対応内容
食べられない原因を調べる時に、飲み込む動作として、単純に食べ物がのどを通る部分をみて、誤嚥しないかどうかの評価だけで終わっているケースがみられます。しかし、食べ物を口に入れるところから飲み込むまでが「食べる」動作です。まだ、発達過程にある乳幼児では、口に入れるところが一番大切だったりします。食べにくそうな場合、座る姿勢が変わることや歯が噛み合うことで、食べやすくなったりします。
当院では、食べ方だけでなく、管理栄養士による栄養相談も行っています。食べやすくなる調理法、ステップアップするものの作り方、バランスよく食べるためには、何をどのくらい食べたらいいかなど、ご相談いただき、元気でいられるようにサポートさせていただきます。